茅ケ崎市・赤羽根「今日の生き物記録」1087 2023.6.20
ヤブカラシ 巻きひげの認識
東京世田谷で過ごした少年時代。隣の家との境にはマサキがぐるりと取り囲まれるように植えられていた。そのマサキにヤブカラシの巻きひげが絡みついて、ハチなどを多く見かけた思い出がある。
近年、ヤブカラシの巻きひげは、自身の葉への巻きつけを多様な方法で忌避していること、その認識にはシュウ酸化合物が関わっていることが報告された(植物の行動生態学. 深野祐也・山尾僚, 文一総合出版. 2023)。
巻きひげの認識は、揮発性物質の認識ではなく、接触にもとづく化学的な認識であるといえる。この認識能力によって、自分の葉や同種他株の葉に巻きついて光合成や成長を阻害することを避けていると考えられている。