茅ケ崎市・赤羽根「今日の生き物記録」714 2022.5.30
ヤマシロオニグモ・クワコマダラヒトリ幼虫・ヒメマダラエダシャク観察
林縁で、クモとガを観察した。種の同定は、日本のクモ(新海栄一, 文一総合出版. 2017)、蛾の生態標本図鑑(今井初太郎, 2020. メイツ出版)などを用いて行い、体などの特徴からヤマシロオニグモ・クワコマダラヒトリ・ヒメマダラエダシャクと判別した。
ヤマシロオニグモは、脚に黒褐色の環班があり、全身に粗い毛が生えていた。腹部の色彩や斑紋には個体変異があり、灰褐色地に褐色の斑紋があるもの、中央部に大きな黒班または白班があるものなどがいるようだ。垂直円網を張る。頭胸部は暗赤褐色で、腹背の模様や色彩は個体差が激しい。腹部背面中央から後方にかけて白い縁取りの黒い縦帯があるものがアトグロ型、腹部背面前方から波打った白色の縦帯があるものがセジロ型と呼ばれている。
クワコマダラヒトリは、ヒトリガ科に属し柑橘類、クリ、カキ、モモ、ナシ、ウメ、クワなどの果樹園で発生する果樹を食害する害虫になっている。名前はクワでの発生が多いことからついた。幼虫は糸を張り、3齢までは集団で行動し、4齢になると徐々に単独で行動することから、本個体は4齢以上か。背中の中央部に白い斑紋が破線状に続いていて、各節には茶色や茶褐色の紋がある。
ユウマダラエダシャクは、体の特徴がヒメマダラエダシャクにもよく似ていたが、マサキの生垣に静止していたことから、判別の決め手になった。