茅ケ崎市・赤羽根「今日の生き物記録」711 クワの実

茅ケ崎市・赤羽根「今日の生き物記録」711 2022.527

クワの実

高校教師の頃、カエルの初期発生の過程で「桑実胚」という時期があるが、桑の実を見たことも食べたこともない生徒たちに板書説明するのに苦労したことがある。この時、生徒たちとの間で「情報の共有」があれば、会話が弾み、理解が深まっただろうなと考えた。

散歩道には、林縁南斜面の日当たりの良い場所にクワの木がある。クワコを観察したのと同じ木に色づいたクワの実がなっているのを見つけた。

実は集合果で、熟すと赤色から黒紫色となる。甘く美味しい。正しくは果肉の部分は花被片の成熟したもので、中の種子が果実にあたるとされている。

クワの語源に2説がある。その一つは食葉(クワ)であり、他は蚕葉(コハ)の転じたものという。クワの葉と実、クワコ。一ヶ所で同時に見られたことが嬉しい。

 

雌雄異株で4月頃に緑色の球状の花序を形成する。花弁はない。7月頃、果実は赤色から黒紫色に熟し、食べられる。養蚕が盛んであった頃には桑の実は結構なおやつであったが、最近は見かけることが少なくなってしまった。