内陸部に定着 当地のイソヒヨドリ
昨年2月4日以来、約1年ぶりにイソヒヨドリ雄を見かけた。
青い胸から頭にかけての青と腹の赤茶色のコントラストが美しい。
今回は、西光寺の屋根に長い間、止まり、周囲を見渡していた。
これまで、イソヒヨドリは海岸地帯に留鳥として普通に生息していたが、ここ20年くらいの間、内陸への進出が顕著になっている。海岸から10キロ以上内陸に入った地域でも、普通に見られるようになり、人為的活動の影響が大きい環境である都市部や、住宅街で頻繁に観察されるようになっている。
鳥居 & 江崎(山階鳥研報, 2014)によれば、⓵緑地区や住宅区に比べ、高層マンション区で、発見頻度が高い。②オスが高い場所をさえずりの場所(ソングポスト)として利用している。③営巣場所は、トタン屋根の隙間やアーケードの鉄骨の隙間。④採餌は主に草地の地面で、つまみ取り。⑤親鳥がヒナに与える餌は、ゴミムシや鱗翅目の幼虫など、主に地上徘徊性の昆虫(フナムシが取れないこと以外は、海岸での食性とそれほど変わらない)などの生活様式が明らかにされた。
イソヒヨドリは、人工構造物と、都市に残された緑地を利用することにより、新たな生息環境を開拓し、生息地を拡大しているようだ。
当地においても、昨年から引き続き定着していると思われ、これからも観察できる機会が増えてくるものと考えられる。