赤羽根日誌 375 アブラムシとナミテントウ 一日一種の生き物記録

 

アブラムシの天敵の代表例は、テントウムシ。テントウムシはアブラムシを餌として捕食する。農業の現場では、この自然界の性質(天敵)を利用した方法は、「バンカー法」と呼ばれており、農業・食品産業技術総合研究機構)が開発を続けている。アブラムシに対しては、「飛ばないナミテントウ」や「コレマンアブラバチ」を飼育して捕食させる方法が現在の主流といわれている。アブラムシは、おもに植物の新芽やつぼみに群生して、植物の汁を吸い、生育を阻害する。また、ウィルス病を媒介するため植物にダメージを与え、大量のアブラムシに侵された植物はやがて枯れてしまう。アブラムシがウイルスを媒介するのは、ウイルスにかかっている植物の汁を吸うと、アブラムシが植物に突き刺す部分(口針)にウイルスが付き、そのあとほかの植物の汁を吸うときに、口針を刺すことでウイルスをその植物に移してしまうことが原因となっている。

 

アブラムシが発生する要因の1つとして「窒素分の多い肥料」があげられている。窒素分の多い肥料は、葉で合成されるアミノ酸が多くなりすぎてしまい、アブラムシはそのアミノ酸が大好きなので、多く作られすぎたアミノ酸にアブラムシが寄ってくるというしくみのようだ。もう1つの要因は「株間がせまく密植状態」のときに湧きやすいとも言われている。

 

今回観察したアブラムシは、セイタカアワダチソウの茎に蜜になって群がり、テナミテントウがところ狭しと歩行しているのを観察することができた。