畑にライムギ。イネ科の一年草または越年草。カフカス・小アジア原産で、ロシア、ヨーロッパ、アメリカなどで栽培される。日本には、明治初期に導入された。高さ1.5~3m。コムギに似ているが丈が高く葉はやや小さくて耐寒性が強い。初夏、稈の頂に長さ10㎝ぐらいのやや扁平な円柱状の花穂をつける。コムギより穂が長く、実も細長い。実を製粉して黒パンを作るほか、麦芽はウオツカやビールの原料、穂にできる麦角(ばっかく)は薬用とする。また、飼料・緑肥にされる。ライムギは、もともとコムギの育たない地で、コムギの代わりに育てられた穀物である。寒冷な気候や、痩せた土地でも育ちやすかったことから、広く長く、育てられ、今日に至る。ライムギはコムギよりも、食物繊維やビタミンB群が多く含まれる。特に、ライムギに含まれる栄養の中でも、ビタミンB1とB2については、たんぱく質の代謝を促す力を持っているのが特徴。名前を教えてくださった農家のOさんからは、収穫したライムギは、食用にするというよりは、畑の畝に敷くと述べていた。