赤羽根日誌 354 コキア 一日一種の生き物記録

 

マリモのような植物を見かけた。調べるとコキアという名前の植物であった。姿が丸い形の整った形で、繊細な茎葉が密に茂り、明るくさわやかな印象を受ける一年草。観賞期間が長く、同じ形状のまま大きく育つ。観察したときは、刈り込みをしたようで、何株かをまとめて植えられており、特異な景観が目についた。ホウキギの和名のとおり、刈り取って陰干しして、草ボウキをつくるのに利用されるようだ。かつてはコキア属(Kochia)に分類されていたので、コキアと呼ばれているが、今はバッシア属(Bassia)になっている。世界各地で野生化していて、日本でも帰化植物となっており、イソボウキの名で呼ばれることもある。

 

 観賞用に栽培されるのは、主に変種のトリコフィラ(ハナホウキギ、B. scoparia var. trichophylla)で、コンパクトな草姿で丸みがあり、秋には美しく紅葉する。日本へは平安時代には伝わってきたとされており、江戸時代になるころには各地で栽培されるようになった。コキアの実は食材としても利用されてきた。コキアの名所でもっとも有名なのは、茨城県の「国営ひたち海浜公園」。園内のみはらしの丘には、約3万株のコキアが植えられている。