うす暗く湿った場所でユキノシタを見かけた。ユキノシタは、地表面に多くの枝を出し、先端から葉や根を出し、新個体を増やしていく植物で、赤い糸のような地面を這って増えていく枝(ランナー)を伸ばしていく。ランナーで増える繁殖形式は、水辺の岩場や石垣などの生育地に適しているといわれる。新しくできた個体からは、根が出て根付いていく。葉は山菜として食用になるうえ、薬用として栽培されたこともあり、野生化したものが人家周辺で見られるようになった。葉は、厚くて柔らかで白い斑が入っている。高校教員時代、ユキノシタを教材に原形質分離の観察を行った思い出が蘇る。