遊水池にアカミミガメ。アカミミガメは、北米のミシシッピ川やリオグランデ川の、流れの緩やかな河川や湖沼、湿地帯に自然分布するリクガメである。甲羅の色は緑、雄の成体は暗褐色~黒地で、黄色い筋模様がある。頭部や四肢、尾の色は濃緑をしている。眼後部~鼓膜上部の耳に当たる部分に赤や橙色の斑紋があるので、アカミミガメと呼ばれている。
幼体は緑色なので、日本へはミドリガメという名でペットとして輸入された。ペットで飼われていた個体が逃亡、または遺棄されたものが川や池に定着している。アカミミガメは容易に手に入れることができ、成長すると大きくなり、長生きもするので、飼いきれなくなった飼い主が野外へ放してしまうことが多いようだ。国内でアカミミガメが爆発的に増えたのは、大量に野外に放たれただけでなく、繁殖力の強さにも原因があると考えられている。アカミミガメは、在来種のニホンイシガメよりもたくさんの卵を産み、一年に何回も産卵する。大量のアカミミガメが、ニホンイシガメからすみかや餌をうばいながら、どんどん増えている。