スズメが水田の枯れ木に群れを成して休んでいた。数十羽のスズメは、水田内に落ちている穀類を採餌しては枯れ木の間を往復していた。やがて、群れごと飛び去ってしまった。かながわの鳥図鑑(日本野鳥の会神奈川支部編)によれば、秋冬期には水田や川原に大群が見られることが記載されていた。少年時代、身近な野鳥といえばスズメであった。東京・世田谷に在住時、自宅の屋根瓦の隙間にスズメが出入りし、子育てしていた思い出がある。当時の少年たちはレンガを組み合わせ、中に米を入れてスズメを捕獲することに夢中であった。飼育するためでも食べるためでもなく、直接手に触れたかっただけである。初めて捕獲したスズメは、嘴の黄色い幼鳥であった。恐る恐る手に触れたことは覚えている。現在、スズメは全国的に減少していることが報告されている。当地においては、稲の成長に合わせてよく観察できたが、数羽単位であった。日常的にありふれたスズメであるが、群れを成しているところを観察するのは初めてかもしれない。