道端の草本・イネ科植物に褐色型と思われるトノサマバッタが計6個体静止しているのを偶然目にした。トノサマバッタの情報を調べていたら、「トノサマバッタを敵の大群に変えるフェロモン」(Nature 2020年8月13日)の記事が掲載されていた。バッタが群れになる原因のフェロモンが明らかになったことを報告する論文である。この知見は、バッタの大量発生を制御する新しい方法の開発に役立つかもしれないと結んでいる。トノサマバッタは、飛翔力が強く、とくに群生相では集団で長距離移動を行い、農作物にも広範囲の被害を与えることが教科書に記載されている。現在、アフリカでは、農作物を喰い荒らすサバクトビバッタのことが報道されているが、日本国内ではどのような現状なのであろうか。当地における褐色型のトノサマバッタの目撃は初めてであっただけに、今後の推移を見守り続けていきたいと考えた。