コオロギの鳴き声に誘われて草陰に目を凝らすと、何とトノサマバッタがじっと動かずに、こちらを見上げるようにしていた。トノサマバッタを観察するのは何年ぶりになるだろうか。少年時代以来かもしれない。トノサマバッタの体は、きれいな緑色で上翅は濃茶色と黄褐色のまだら模様があり、当時の少年たちに人気のあったバッタであった。物音には敏感で、捕獲するのが難しく、取り逃がすことが多かった。本観察時においては、静かに近づき、約1mの距離から写真撮影することができた。当地においても初めて観察しただけに、嬉しい朝だった。