赤羽根日誌 62 アブラゼミの羽化 一日一種の生き物記録

めぐりあわせというものを感じた。アブラゼミの羽化の場面を目撃したからだ。時刻にして午前7時過ぎであった。赤羽根山沿いの畑で羽化直後のアブラゼミと抜け殻を観察した。間もなく飛び立とうとする状態だった。抜け殻とセットで目撃できるとは至福の瞬間であった。昭和30年代の少年時代、ニイニイゼミが鳴き始めると梅雨が明け、アブラゼミが鳴き始めるころに夏休みが始まり、ツクツクホウシが鳴いている最中が虫取りのピークであった思い出がある。最も人気のあったセミは、ミンミンゼミであり、ミンミンゼミを追い求めて採集に出かけたりした。クマゼミはめったにみられなかった。ヒグラシが鳴き始めると夏休みが終わりを告げることを、当時の少年たちは肌で感じ取っていた。