5月を迎えて 月初めのメッセージ
5月は大好きな季節だ。
暑くも寒くもなく、何よりも心地よい風が、身体にたまらなくいい。
この時期、茅ケ崎市赤羽根の里山・里地は、パステルカラー調に包まれ、樹木の芽吹きが若葉に覆われて、絵になる景色だ。
畑地には水がひかれて、田植えが始まる季節だ。コンバインが整地していた。もののみごとに早苗が水田上を埋めつくしていく。
この光景を背景に富士山を眺めることが、楽しみの一つにもなっている。
いのちの躍動感とも言うべき、この感じ、いいなと思う。
斎藤幸平と池上彰の対談記事を読んでいたら、以下の内容が目に留まった。
斎藤幸平:「今、この世界は、多くの危機が複雑に絡まっている状態のポリクライシス(複合危機)に突入しています。まず、パンデミックが自国優先主義と国際機関の地位低下をもたらし、戦争につながった。その結果、グローバル化が民主主義や経済成長をもたらすという神話が完全に終焉を告げ、世界は分断されてしまった。グローバルノースとグローバルサウス、米中ロといったわかりやすい亀裂だけでなく、国内外のあちこちで政治的、経済的な分断が起きています。その結果、低インフレの時代は終りエネルギーや労働力の価格が上昇していく。さらに気候変動はこの悪化傾向をさらに悪化させます」
「今後想定される気候変動が招く災禍を考えればこれらもまだ序の口です。より大規模な自然災害が常態化し、難民問題だけでなく、資源や土地の奪い合いも起きるでしょう。その結果、20世紀的なリベラル左派の思想が前提としていたような楽観主義はもはや通用しません。環境問題、パンデミック、戦争、インフレといった複合危機の時代に、社会をだんだんと良くしていけばいいという思想は通用しないのです」
では、私たちはどうしたらいいか。
新しい幸福のあり方を積極的に見いだしていかざるを得ないだろうと思う。
自分の幸せが大事だとしても、地球の環境が危うければより合理的な選択をせずにはいられない。
斎藤幸平も述べているように、新自由主義に代表される価値観からの抜本的な転換を遂行しなければ、私たちはポリクライシスの時代を生き残れない現状に置かれている。
かつて、高橋和己は、「いかなる状況下においても、日々をより充実させて生きていくしか方法はない」と述べていたことを、ふと思いだした。
2024. 5.1 書斎にて 苗川博史
New 2024.5.19 本日も「生きもの記録」を行います。
日付更新されていないときは, 何かが起きたとご判断ください。生存証明!?
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